コンクリート外壁は、その洗練されたデザイン性と優れた耐久性で、モダンな住宅や商業施設に広く採用されています。
しかし、「ひび割れが目立つ」「メンテナンスに手間がかかる」といったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、コンクリート外壁のメリットとデメリット、さらに劣化への対応策を詳しく解説していきます。
外壁リフォームを考えている方や、コンクリート外壁に興味のある方、必見です!
INDEX
コンクリート外壁とは?
コンクリート外壁は、セメントに水・砂・砂利を混ぜた材料を型枠に流し込んで作られる外壁です。その自由な形状と耐久性から、デザイン性の高い住宅に適しています。
耐用年数は約30~50年と非常に長寿命。型枠次第で曲面など自由なデザインが可能で、
木柱が不要なため、室内の有効面積を広げられる特徴があります。
コンクリート外壁のメリット
コンクリート外壁は、耐久性やデザイン性など多くのメリットを持つ一方、特有のデメリットもあります。まずはメリットを紹介します。
高い耐久性
コンクリート外壁は、建材としての高い耐久性が大きな魅力です。一般的な外壁材の耐用年数が10~20年であるのに対し、コンクリート外壁は約30~50年もの長期間にわたってその性能を維持できます。
特に圧縮に対する強度が高く、地震や風圧などの外的ストレスにも優れた耐久性を発揮します。ただし、適切なメンテナンスを行わないと中性化やひび割れが進行するリスクがあるため、防水塗装や補修を定期的に行うことが推奨されています。
防音性と遮音性
コンクリート外壁は、その優れた防音性と遮音性で特に都市部の住宅や建物で重宝されています。コンクリートは密度が高いため、外部の騒音を大幅に遮断し、静かな室内空間を実現します。
また、壁を貫通する音の漏れも極めて少なく、プライバシーを守る上でも大きな利点があります。木造建築と比べると、振動音や交通騒音などの低周波音にも強く、快適な住環境を提供します。
隙間や窓枠部分の施工も含め、気密性を高める工事が効果をさらに引き出します。
耐火性の高さ
コンクリート外壁はその耐火性の高さが特徴で、火災時の安全性を大幅に向上させます。コンクリートは不燃材料であり、熱にさらされても燃焼せず、火災の拡大を抑える効果があります。
さらに、木造外壁とは異なり、コンクリートの厚みが直接的な熱の伝導を防ぐため、隣接する部屋や構造体への延焼リスクを低減します。そのため、耐火地域や準耐火地域での建築基準を満たすだけでなく、安心して長く住める住宅づくりに最適な選択肢といえます。
デザイン性の自由度
コンクリート外壁は、型枠を利用した自由な成形が可能で、デザイン性の自由度が高いことも大きなメリットです。直線的な外観はもちろん、曲面や独特の立体感を持つ形状も実現でき、建物全体に洗練された印象を与えます。
また、打ちっぱなし仕上げにすることで、素材そのものの無骨でモダンな美しさを表現することも可能です。さらに、表面の塗装や撥水剤の選択次第で、艶感や色調を調整できるため、外観デザインにこだわりたい方には最適な外壁材といえるでしょう。
気密性
コンクリート外壁は、その一体成形による高い気密性が特徴で、室内環境の快適性を大きく向上させます。コンクリートは型枠に流し込んで固めるため、隙間が生じにくく、冷暖房効率を高めることができます。特に、外気の侵入や室内の熱の漏れを防ぐ効果が高いため、季節を問わず一定の室温を保ちやすく、省エネにも寄与します。
また、この気密性は防音性とも密接に関連し、騒音の侵入を抑える上でも効果を発揮します。高性能な建材として、快適で効率的な住環境づくりに最適です。
コンクリート外壁のデメリット
続いてコンクリート外壁のデメリットを紹介します。
ひび割れやシミが目立つ
コンクリート外壁は、デザイン性や耐久性に優れる一方で、ひび割れやシミが目立つという課題があります。乾燥収縮や地震などの外的要因によって、コンクリートは引張力に弱く、表面にひび割れが生じやすい性質があります。
また、コンクリートの吸水性の高さが雨水や湿気を内部に取り込み、汚れや水垢が蒸発せずにシミとして残る原因となります。これらの劣化は、見た目だけでなく、防水性や構造体の劣化にもつながるため、撥水剤やクリヤー塗料を用いた適切なメンテナンスが必要です。
重量がある
コンクリート外壁はその耐久性や遮音性の高さが魅力ですが、重量があるために特有の課題を抱えています。他の外壁材と比較してかなり重いため、建物の基礎部分や地盤に大きな負担をかける可能性があります。
特に、地盤が弱い地域では「地盤改良工事」が必要になることがあり、これが施工費用や期間の増加につながる場合もあります。
一方で、この重量のおかげで建物全体の剛性が高まり、地震時の揺れが軽減されるといったメリットもあります。重さを考慮した慎重な設計と施工が重要です。
施工に時間と技術が必要
コンクリート外壁の施工には、時間と高い技術が必要になります。その理由は、型枠を用いて現場で成形するため、工期が長くなる傾向があることに加え、施工の精度が職人の技術力に大きく依存する点にあります。特に打ちっぱなし仕上げでは、わずかなズレや不均一が目立つため、専門知識と経験が求められます。
さらに、コンクリートは硬化するまでに時間を要し、次の工程に進むまで待機期間が必要です。この工程管理の徹底が、完成後の耐久性や美観を左右するため、信頼できる施工業者を選びましょう。
中性化のリスク
コンクリート外壁には、雨水や湿気が浸入することで生じる中性化のリスクがあります。コンクリートは本来、セメントに含まれる石灰分によって強いアルカリ性を保っていますが、外部からの酸性雨や二酸化炭素と反応することで徐々に中性化が進行します。これにより、内部に埋め込まれた鉄筋が錆び始め、膨張することでコンクリートがひび割れたり、爆裂クラックが発生する可能性があります。
中性化を防ぐためには、防水性能を高める塗装や定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、撥水剤やクリヤー塗料を活用することで効果的にリスクを軽減できます。
コンクリート外壁に見られる劣化症状と対応策
コンクリート外壁は、耐久性とデザイン性に優れる一方で、経年劣化に伴いさまざまな症状が現れることがあります。これらの劣化を早期に発見し、適切な対応を行うことで、建物の美観と性能を維持することが可能です。
主な劣化症状は以下の通りです。
ひび割れ
コンクリートは圧縮には強いものの、引張力に弱いため、乾燥収縮や地震、地盤沈下などの外的要因でひび割れが発生します。これらのひび割れは、美観を損なうだけでなく、雨水が内部に浸入し、鉄筋の錆びや爆裂クラックを引き起こす原因となります。
対応策としては、弾性塗料を使用して塗膜を形成することで、ひび割れの拡大を防ぎ、防水性を向上させられるでしょう。深刻なひび割れの場合は、超微粒子セメントを注入して補修を行います。
爆裂クラック
内部の鉄筋が錆びることで膨張し、コンクリート表面が破裂する現象です。錆びた鉄筋が膨張すると、コンクリートに圧力がかかり、表面が剥離する「爆裂」が発生します。これにより建物の構造に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、剥離した部分を除去し、鉄筋にサビ止めを塗布して保護します。その後、モルタルや補修材を用いて補修し、最終的に塗装で防水性を確保します。
シミや汚れ
コンクリートは吸水性が高く、雨水や湿気を吸収することで汚れが残りやすい性質があります。雨染みが繰り返されると、黒ずみや白華として目立つようになります。
対応策としては、撥水剤やクリヤー塗料を塗布して防水性能を向上させることで、雨水や汚れの侵入を防ぎます。既存の汚れやシミは、高圧洗浄や専用洗浄剤を用いて除去します。
カビ・コケの発生
湿度が高く、日当たりの悪い部分ではカビやコケが繁殖しやすく、外観に悪影響を与えます。これらは建物全体の印象を損ねるだけでなく、コンクリートの劣化を進行させる可能性もあります。
対応策としては、高圧洗浄やブラッシングで除去することが基本です。その後、防カビ剤や防水塗料を施すことで再発を防ぎます。
剥離や膨れ
コンクリートの中性化が進行すると、酸性雨とアルカリ性のコンクリートが反応し、表面が剥離したり膨れたりする症状が現れます。
対応策としては、剥離部分を除去し、適切な補修材で再成形を行います。最終的に表面を防水塗料で仕上げることで劣化を防止します。
まとめ
コンクリート外壁に見られる劣化症状は、美観を損なうだけでなく、防水性や構造強度に影響を与える可能性があります。特にひび割れや爆裂クラックは、建物の寿命を縮める原因となるため、早期発見と適切な対策が重要です。撥水剤や弾性塗料の使用、鉄筋のサビ止め処理など、劣化の原因に応じた修繕を行い、長期間安心して住める外壁を維持しましょう。
実際の施工事例と費用感
ここからは、コンクリート外壁の実際の施工事例や費用感を紹介します。
施工事例 1:モダンデザインの住宅
ひび割れとカビが目立つ打ちっぱなしコンクリート外壁で、防水性能の低下が見られる状態でした。そこで、アルミパネルを使用した外壁カバー工法。断熱材を併用し、省エネ効果を付加しました。
費用は1㎡あたり15,000円程度。総額約150万円(100㎡の外壁)。
この施工によって、外観のリニューアルと同時に断熱性能が向上し、冷暖房費が年間20%削減されました。
施工事例 2:経年劣化が進んだ集合住宅
爆裂クラックと中性化が進行し、部分的に鉄筋が露出した状態でした。そこで補修後にサイディングパネルを用いたカバー工法と、雨漏り対策を実施しました。
費用は1㎡あたり12,000円程度。総額約300万円(250㎡の外壁)。
この施工によって、建物全体の印象が新築同様になり、防水性と耐久性が大幅に向上しました。
塗装だけでは解決できない課題を外壁カバー工法で解決!
コンクリート外壁の塗装や修繕は効果的ですが、ひび割れや爆裂が進行した場合には限界があります。そこでおすすめしたいのが「外壁カバー工法」です。
既存の外壁の上から新しい外壁材を取り付ける工法で、建物を補強しながら外観を一新します。
具体的には、新たな外壁材の追加で、断熱効果や遮音性能が大幅に改善したり、既存の外壁を撤去しないため、施工期間を短縮できたり様々なメリットがあります。また、頻繁なメンテナンスが不要になり、長期的な維持費が抑えられるのも嬉しいポイントです。
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