近年、住宅の外壁リフォームにおいて注目されている「外壁カバー工法」。既存の外壁を壊さずに新しい外壁材を重ねて施工できるこの工法は、費用や工期の面で多くのメリットがあります。特に「胴縁(どうぶち)」と呼ばれる部材は、この工法の成否を左右する重要なポイントです。
この記事では、外壁カバー工法の基本から、胴縁の重要性を徹底解説していきます。ぜひ最後までご覧下さい!
INDEX
外壁カバー工法とは?

外壁カバー工法とは、既存の外壁を撤去せず、その上から新しい外壁材を重ね張りするリフォーム工法です。主に金属サイディングを用いることで、軽量かつ高耐久な仕上がりが可能となり、工期や費用を抑えることができます。
この工法は「重ね張り工法」とも呼ばれ、築15年以上の住宅に多く採用されており、解体作業が不要なため、住みながらの施工も可能です。
胴縁(どうぶち)とは何か?

外壁カバー工法における胴縁とは、新たに張る外壁材を固定するための下地部材で、主に木材や樹脂製の角材が用いられます。
外壁に対して一定の間隔で胴縁を取り付けることで、外壁材との間に空気の流れる通気層が形成されます。この通気層は、壁体内の湿気を外部に逃がし、結露やカビの発生を防ぐと同時に、万が一の雨水侵入時には水を排出する経路としても機能します。
胴縁が適切に施工されていないと、通気不良により外壁材の早期劣化や内部腐食が進む恐れがあるため、胴縁の設置は外壁カバー工法の根幹を支える非常に重要な工程と言えます。
通気層には、壁内にこもる湿気を排出し、結露やカビの発生を防ぐ役割があります。また、万一雨水が侵入した場合も、通気層を通じて外に排出され、建物の構造躯体を守る効果があります。
胴縁は施工品質に直結する部材であり、その配置や素材選定が不適切であると、通気不良や外壁の早期劣化につながるため、非常に重要なポイントです。
外壁カバー工法の施工手順と胴縁の施工位置

外壁カバー工法では、まず足場を設置し、給湯器や換気フードなどの付帯設備を一時的に取り外します。その後、既存外壁の状態を点検し、必要に応じて下地を補修。次に、壁体内の湿気を逃がすために透湿防水シートを全面に施工します。
胴縁の取り付けはこの段階で行われ、縦張りまたは横張りの方向に合わせて適切に配置します。胴縁によって通気層が形成されることで、外壁の耐久性が大きく向上します。その後、見切りや役物を取り付け、金属サイディングを施工。シーリング処理や最終点検を経て、足場を撤去し完工となります。
施工手順表
手順 | 工程 | 具体的な内容 |
1 | 足場の設置 | 安全な作業環境を確保するために、まず足場を設置します。 |
2 | 付帯部の着脱 | 給湯器や換気フードなど、外壁に接している設備を一時的に取り外します。 |
3 | 下地の点検と調整 | 既存外壁の状態を確認し、必要に応じて補修します。 |
4 | 透湿防水シートの施工 | 壁体内の湿気を外に逃がすためのシートを全面に張ります。 |
5 | 胴縁の施工 | 縦または横方向に胴縁を設置。通気層の厚みが適正になるように調整します。 |
6 | 見切りや約物の取り付け | 外壁材の端部や開口部に使用する部材を設置します。 |
7 | 金属サイディングの取り付け | 胴縁に新しい外壁材を固定していきます。 |
8 | シーリング処理 | 継ぎ目や窓まわりなどに防水処理を施します。 |
9 | 清掃・点検 | 施工後の清掃と最終点検を実施します。 |
10 | 完工 | 足場を撤去して工事完了となります。 |
外壁カバー工法のメリット・デメリット
ここからは外壁カバー工法のメリットとデメリットを解説していきます。
外壁カバー工法のメリット

外壁カバー工法には、さまざまな利点があります。
まず、既存の外壁を撤去せずに新しい外壁材を重ね張りするため、解体作業が不要となり、結果として工期の短縮とコストの削減が期待できます。
さらに、金属サイディングなどの高耐久な素材を使用することで、耐候性が高まり、定期的なメンテナンスの手間を軽減できます。二重構造となるため、断熱性や遮音性にも優れ、住まいの快適性を高めることにもつながります。
また、施工中も住みながらの工事が可能な点は、居住者にとって大きなメリットでしょう。
外壁カバー工法のデメリット

一方で、注意すべき点もあります。外壁を剥がさない分、内部の劣化や腐食を確認しづらく、状態によっては構造的な不安が残ることがあります。
また、新たな外壁材を重ねるために重量が増加し、建物への負荷がわずかに増える点にも留意が必要です。さらに、外壁を二重にしてしまうと、次回のリフォーム時に再度のカバー工法は難しく、張り替えを選択せざるを得ない場合があります。
そして何より、手抜き施工を防ぐためにも、信頼できる施工業者の選定が極めて重要です。
外壁カバー工法についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください!
外壁カバー工法の種類と特徴を解説!費用相場やメリット・デメリットもわかりやすく紹介
胴縁の素材と通気工法の関係

外壁カバー工法において使用される胴縁には、いくつかの素材があり、それぞれ特徴が異なります。
最も一般的なものは木製の胴縁で、比較的安価で加工もしやすい一方、吸水性が高いため湿気に弱く、適切な防湿対策が必要です。
次に多く採用されているのが樹脂製の胴縁で、耐水性や耐久性に優れており、経年劣化にも強いのが特長です。3階建ての建物など、風の影響を受けやすい場合におすすめの素材です。
さらに、アルミ芯入りの樹脂胴縁はより高耐久で、長期間にわたって安定した性能を発揮します。固定力が高く、熱による変形も防げます。
これらの胴縁を適切に施工することで、外壁材と既存壁の間に通気層が形成されます。通気層は、壁体内の湿気を外部に逃がし、結露の発生や構造材の腐食を防ぐために欠かせない存在です。胴縁の素材選びと施工精度が、この通気工法の効果を大きく左右するため、信頼できる材料と確実な施工が求められます。
よくある質問

Q1. 胴縁を省略して直張りできますか?
A. 基本的には推奨されません。直張りでは通気層が確保できず、壁内結露が発生する恐れがあります。2000年4月以降、胴縁を用いた通気工法が標準的になりました。通気層は外壁内部の湿気や水分を排出し、腐食や雨漏りを防ぐ重要な役割を果たします。
Q2. 築30年以上でもカバー工法は可能ですか?
A. 状況によりますが、既存外壁や構造体に著しい劣化がなければ、胴縁を用いてカバー工法を施工することは可能です。目安として、築30年〜40年の住宅に外壁カバー工法が適していると言われています。ただし、外壁の状態によって状況が異なりますので事前調査が必要です。
Q3. 外壁にアスベストがある場合も対応可能ですか?
A. はい、カバー工法は既存外壁を撤去しないため、アスベスト含有外壁の飛散リスクを最小限に抑えたリフォームが可能です。
Q4. 胴縁の素材はどれを選べば良いですか?
A. 施工場所や予算によりますが、耐水性や耐久性を重視するなら、樹脂製やアルミ芯入り胴縁がおすすめです。木製は安価ですがシロアリや水濡れによる腐食の影響を受けやすく、定期的なメンテナンスが必要になります。
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外壁カバー工法は、外観を一新しながら、断熱性・遮音性・耐久性を高める優れたリフォーム方法です。そして、その中でも胴縁の正しい施工は建物の寿命や住環境に大きく影響します。だからこそ、この工法を検討される際には、確かな知識と技術を持つ専門業者の存在が不可欠です。
私たち株式会社ジーワンテックは、「誠心誠意の対応と妥協のない工事品質」で、お客様一人ひとりの想いに真っ向勝負で応えることを信条としています。経験豊富な住宅のプロが、お住まいの状態を丁寧に診断し、ご希望と状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。下地胴縁の取り付けからサイディング施工、完了検査まで、一切の妥協を許さず、高品質な施工をお約束します。
また、工事後も安心して暮らしていただけるよう、最長10年の長期保証制度をご用意。保証期間中の不具合にも無償対応し、お客様との信頼関係を大切にしています。
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