火災は、建物や財産だけでなく命にも大きな影響を与える災害です。そのため、住宅や商業施設の外壁には、防火性能が求められます。
そこで本記事では、防火構造とは何かを解説するとともに、耐火構造や準耐火構造との違い、防火構造が必要とされるケース、防火構造の種類と特徴を詳しく紹介します。
ぜひ最後までご覧下さい!
INDEX
防火構造とは?耐火構造や準耐火構造との違い
まずは防火構造とは何かを解説していきます。
似たような言葉に「耐火構造」「準耐火構造」がありますが、それらとの違いも確認してみましょう。
防火構造
防火構造は、建築基準法施行令第108条で定められた建物の外壁や軒裏に求められる性能基準で、火災発生時に外部からの火熱や延焼を30分間防ぐことが要件です。
これにより、隣接する建物や外部からの火災による影響を最小限に抑え、避難や消防活動の時間を確保します。特に、防火地域や準防火地域の住宅や低層建築物で採用されることが多く、木造建築にも取り入れやすい点が特徴です。
ただし、防火構造は外部からの火災に対応するもので、建物内部からの火災には弱いという制限もあります。
耐火構造
耐火構造は、防火構造よりも高い基準を持ち、火災終了まで建物が倒壊せず、火熱による影響を防ぐ性能を求められる構造です。
主要構造部である柱、梁、床、壁、屋根などに厳しい耐火基準が課されており、一般的には鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)で採用されます。
また、耐火時間は建物の規模や階数によって異なります。耐火構造は、商業施設や公共建築物など、大規模な建物に適した構造です。
準耐火構造
準耐火構造は、耐火構造に準じた性能を持ちながら、より簡易な基準が設定されている構造です。
通常の火災に対して45分から1時間の耐火性能を持ち、特に低層建築や戸建て住宅で広く採用されています。準耐火構造は、耐火構造ほどの堅牢さはありません。
構造材には、石膏ボードや耐火被覆が施された木材が用いられることが多く、比較的コストを抑えながら建築可能です。
このように、防火構造、耐火構造、準耐火構造は、それぞれの用途や地域、建物の規模に応じて適用される基準が異なります。特に、火災リスクの高い地域では、防火性能を満たす適切な構造を選択することが重要です。
防火構造が求められるケース
防火構造は、特定の地域や建物において建築基準法で求められる性能です。都市計画法に基づき、防火地域や準防火地域では建物の規模や構造に応じて防火性能が規定されています。防火地域では、建物全体に耐火性能が求められる場合が多いです。
準防火地域では、防火性能が求められる箇所が限定されます。たとえば、延焼のおそれがある外壁や軒裏に防火構造を採用することで基準を満たすことができます。また、木造住宅であっても一定規模以下(延床面積500㎡以下、地上2階建て以下)であれば、防火構造で建築が可能です。
防火地域や準防火地域の指定は、自治体の都市計画図や用途地域図を確認することで調べられます。また、駅前や繁華街、幹線道路沿いなど建物密集地域が防火地域に指定されることが多いです。準防火地域はその周辺に位置し、規制がやや緩やかです。こうした指定は、火災が発生した際の延焼防止や避難経路の確保、消防活動の円滑化を目的としています。
さらに、防火構造の基準は建物の用途によっても異なります。商業施設や学校などの特殊建築物では、防火性能の高い構造が義務付けられるケースがあります。
詳しくは、お住まいの地域の建築基準法を確認してみましょう。
外壁の防火構造|種類と特徴
防火構造には、さまざまな種類の外壁材が使用されます。中でも代表的なものが窯業系サイディングと金属系サイディングです。これらの外壁材は、国土交通大臣の認定を受けた防火性能を持ち、火災に対する安全性が確認されています。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントを主成分とした外壁材で、耐火性や耐久性に優れています。デザインバリエーションが豊富で、レンガ調や木目調など、住宅の外観に合わせた選択が可能です。また、メンテナンスコストが低い点も魅力の一つです。さらに、防火性能試験に合格した製品が多く、外壁の防火構造材として広く採用されています。
金属系サイディング
金属系サイディングは、軽量で施工が容易な点が特長です。アルミニウムや鋼板を使用しており、遮熱性や断熱性が高く、耐久性にも優れています。窯業系と比較するとデザインの選択肢は少ないものの、モダンな外観やシンプルなデザインを好む住宅に適しています。
防火構造材
上記のような防火構造材は、防火性能試験に合格し、国土交通大臣認定を取得した材料が使用されます。燃焼試験や遮熱試験に合格した外壁材は、防火地域や準防火地域での建築にも安心して使用できます。これにより、住宅の安全性が確保されるだけでなく、建築確認申請がスムーズに進むという利点もあります。
外壁の種類についてもっと知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
外壁の種類別メリット・デメリット完全ガイド!最適な選び方を伝授
防火構造には外壁カバー工法もおすすめ
ここまで外壁の防火構造について解説してきました。防火構造を持つ外壁には外壁カバー工法もおすすめです。
外壁カバー工法とは?
外壁カバー工法(重ね張り工法)は、既存の外壁材を撤去せずに、その上から新しい外壁材を張る方法です。防火性能の向上と同時に、断熱性や遮音性も強化できるメリットがあります。
外壁カバー工法について詳しくはこちらをご覧下さい。
外壁カバー工法の種類と特徴を解説!費用相場やメリット・デメリットもわかりやすく紹介
外壁カバー工法が適しているケース
外壁カバー工法は、既存の外壁を撤去せずに新しい外壁材を重ねて施工する方法で、さまざまなケースに適しています。
特に、外壁リフォーム時には、防火構造を持つ外壁材を選ぶことで法規制を満たしつつ、建物の安全性を高めることができます。
また、外壁のひび割れや塗装の剥がれが目立つ場合にも、撤去作業を省略することでコストを抑えながら美観と性能を回復可能です。
さらに、断熱性や遮音性を向上させたい場合にも効果的です。カバー工法では、断熱材を組み込むことで室内の快適性を高める施工が可能です。
コスト削減や工期短縮を重視しながら、防火性能やデザイン性も兼ね備えた外壁リフォームを検討している方に、最適な選択肢と言えるでしょう。
外壁リフォームの相談は株式会社ジーワンテックまでお気軽にどうぞ
住宅の外壁に求められる防火性能は、住まいの安全性を高め、家族の命と財産を守るために欠かせません。防火構造、耐火構造、準耐火構造といった性能基準は、それぞれの建物用途や地域の条件に応じて適切に選ばれるべきものです。そして、これらの基準を満たすだけでなく、施工品質とデザイン性を両立させることで、安心で快適な住環境を実現できます。
外壁工事において、妥協を許さない高品質な施工と誠実な対応を求めるなら、株式会社ジーワンテックにお任せください。弊社は外壁のプロフェッショナルとして、豊富な経験を活かした外壁診断と、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な提案を行っています。さらに、防火性能を備えた外壁カバー工法や塗装工事を通じて、家の価値と安全性を高めるお手伝いをしています。
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