レンガの外壁は日本ではまだ珍しいですが、その重厚でおしゃれな見た目から根強い人気があります。外壁材には窯業系サイディングやモルタル塗り壁など様々な種類がありますが、その中でもレンガはひときわ存在感を放つ素材です。実際、近年では輸入住宅や高級注文住宅でレンガ外壁を採用する例も徐々に増えています。ヨーロッパの街並みのような外観に憧れて、マイホームをレンガ風にしたいと考える方も多いでしょう。
一方で、「レンガの外壁って実際どうなの?」「費用や耐久性は大丈夫?」といった不安や疑問を持つ方も少なくありません。レンガ外壁には高い耐久性やメンテナンスフリーといったメリットがある反面、施工費用が高い、対応できる業者が少ないといったデメリットも存在します。
そこで本記事では、外壁をレンガにする場合のメリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、レンガ外壁を選ぶ際に失敗しないためのポイントも紹介します。レンガの外壁リフォームを検討中の方はぜひ参考にしてください。
レンガ外壁のメリット

レンガならではの優れた点がたくさんあります。ここでは、レンガ外壁の主なメリットを見ていきましょう。
おしゃれで重厚感のある外観
レンガの持つ独特の質感や風合いによって、他の外壁材にはないおしゃれで重厚感のある外観を演出できます。レンガ造りの家は洋風で高級感が漂い、周囲の住宅とひと味違った存在感を放つでしょう。年月が経っても汚れや色あせが目立ちにくく、むしろ経年による味わいが増すという魅力もあります。外観デザインにこだわりたい方にとって、レンガ外壁は理想的な選択肢と言えます。
耐久性が高く劣化しにくい
レンガは非常に耐久性に優れた素材で、雨風や紫外線にさらされても劣化しにくい特徴があります。湿気や害虫による腐食の心配がなく、塗装が剥がれたりサビたりすることもありません。適切に施工されたレンガ外壁は数十年にわたって構造・美観を保つことができ、50年以上長持ちするケースもあります。さらにレンガは不燃材のため耐火性も高く、大切な住まいを火災から守る面でも安心です。
断熱性・遮音性に優れている
レンガの壁は厚みと密度があるため、比較的高い断熱性能を持っています。屋根や壁との相性を含めて施工すれば、外気の影響を受けにくく、夏の暑さや冬の寒さを室内に伝えにくいので、室内の温度変化が緩やかです。実際、レンガ造りの住宅は「夏は涼しく冬は暖かい」と言われるほど、年間を通じて快適に過ごしやすいでしょう。室温を安定させることで冷暖房効率が上がり、省エネにもつながります。また、重厚なレンガ壁は遮音性も高く、外部の騒音を軽減して静かな室内環境を実現します。
メンテナンスの手間と費用がかからない
レンガ外壁は塗り替えや再塗装の必要がなく、メンテナンスの手間と費用を大幅に抑えられます。一般的な外壁材では10年ごと程度に塗装の塗り直しが必要ですが、レンガの場合はそのような定期的メンテナンスは、目地を確認する程度です。多少のひび割れや欠けが発生しても部分的な補修で対処でき、大規模な修繕に迫られるケースは少ないでしょう。長期的に見れば、レンガ外壁は維持費用を抑えられる経済的な選択肢となります。
レンガ外壁のデメリット

魅力の多いレンガ外壁ですが、検討にあたって把握しておきたい注意点もいくつかあります。続いて、レンガ外壁の主なデメリットを解説します。
初期費用が高い
レンガ外壁へのリフォームや新築施工は、他の外壁仕上げに比べて初期費用が高額になりがちです。レンガ自体の材料費が比較的高いうえ、一つ一つ積み上げていく手間のかかる工事であるため、人件費も嵩みます。
また、日本で使用されるレンガは海外からの輸入品も多く、輸送コストが価格に反映される場合もあります。その結果、例えば延床30坪程度の戸建て住宅でレンガ外壁リフォームを行うと、総額で数百万円規模の費用がかかるケースもあります。こうした要因から、レンガ外壁の施工費用はサイディングや塗装と比べて数倍になることも珍しくありません。
対応できる業者や職人が少ない
レンガの外壁施工には専門的な技術が必要なため、対応できる業者や職人が限られています。他の外壁工事に比べてレンガ施工の実績を持つ会社は多くなく、地域によっては依頼できる業者を見つけるのに苦労するかもしれません
。万一トラブルや急な補修が必要になった際にも、近くに対応できる職人がいないと対処まで時間がかかってしまう可能性があります。レンガ外壁を採用する際は、信頼できる施工業者選びが一層重要になります。
工事期間が長く大掛かりになる
レンガを積み上げていく工事は、他の工法に比べて施工期間が長くなりがちです。一枚一枚のレンガをモルタルで固定しながら積んでいくため、広い面積の外壁全体を仕上げるには相応の時間を要します。
例えば、一般的な戸建て住宅でもレンガ外壁へのリフォームには数週間~1ヶ月程度かかるケースがあります(外壁塗装やカバー工法なら1~2週間程度)。工期が長引く分、足場の設置期間も延びるため、その間ご家族にとって負担に感じる場合もあるでしょう。また、モルタルの乾燥時間や天候の影響で工期がさらに延びることもあります。
リフォームや部分補修が難しい
レンガ外壁は一度仕上げてしまうと、あとからデザインを変更したり別の外壁材に切り替えたりするのが容易ではありません。外壁の色や雰囲気を変えたくなっても、塗り替えで対応できずレンガを撤去する大掛かりな工事が必要になります。
また、外壁の一部にひび割れや破損が生じた場合でも、その部分だけを簡単に交換・補修することが難しく、職人による手作業での修繕が必要です。将来的なリフォームやメンテナンスの柔軟性が低い点は、レンガ外壁のデメリットと言えるでしょう。
夏場は室内が暑くなりやすい
レンガの高い蓄熱性はメリットである反面、夏場にはデメリットになる場合があります。日中に太陽の熱をたっぷり吸収したレンガ壁は、夜間になっても蓄えた熱を放出し続けるため、外気が涼しくなっても室内の温度が下がりにくくなります。特に熱帯夜が続く地域では、レンガ外壁の住宅は夜間に室内が暑く感じやすく、エアコンに頼る時間が長くなる可能性があります。断熱材の追加や通気工法で対策する方法もありますが、気候によってはこうした点も考慮しておく必要があります。
外壁をレンガにする際の選び方

レンガ外壁のメリット・デメリットを理解した上で、具体的に採用するか検討する際にはいくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、外壁をレンガにする際に失敗しないための選び方のポイントを紹介します。
自分の予算に合った施工方法を選ぶ
レンガ外壁にしたい場合は、まず予算を明確にし、その範囲で可能な施工方法を選択しましょう。余裕をもって費用をかけられるなら、本物のレンガを積み上げる施工で重厚な仕上がりが得られます。一方、予算が限られている場合は、レンガ調のタイルやサイディングなど比較的安価で軽量な代替素材を検討するのも一つの手です。
レンガ調タイルであれば、見た目はレンガに近い風合いを保ちつつ、施工費用を抑えられるメリットがあります。また、建物全体ではなく外壁の一部にのみレンガを用い、他の部分は別の外壁材にする方法もあります。ポイントでレンガのデザイン性を取り入れつつ、費用と重量負担を軽減できるでしょう。また、初期費用だけでなく長期的なメンテナンス費用も含めてトータルで予算計画を立てることが重要です。
建物の構造や気候に適しているか確認する
ご自宅の構造や立地環境がレンガ外壁に適しているかもしっかり確認しましょう。レンガは重量があるため、既存の建物に後からレンガを施す場合は、基礎や躯体がその重みに耐えられるか専門家にチェックしてもらう必要があります。耐震性の観点でも、レンガ外壁にする際は建物全体の補強や適切な工法が求められる場合があります。
また、夏の暑さが厳しい地域では前述の蓄熱による室温上昇の影響も考えられるため、断熱対策や通気計画についてプロと相談しておくと安心です。気候風土や建物の条件に合った形でレンガ外壁を採用することが大切です。
レンガ施工の実績がある業者に相談する
レンガ外壁の施工は特殊な技術を要するため、経験豊富な専門業者に相談することをおすすめします。レンガ工事の実績が豊富な会社であれば、レンガの種類選びから施工方法、費用面まで総合的にアドバイスしてくれるでしょう。早い段階でプロに相談することで、自宅にレンガ外壁が実現可能か、どの程度の予算が必要かといった具体的な計画を立てやすくなります。信頼できる業者に依頼すれば、レンガ外壁リフォームの不安も軽減でき、仕上がりの満足度も高まるはずです。なお、業者を選ぶ際はレンガ外壁の施工事例が豊富か、保証やアフターサービス体制が整っているかも確認しておくと安心です。
レンガ外壁にはこのように長所と短所がありますが、適切に計画すれば理想的なお住まいの実現も可能です。メリット・デメリットを踏まえ、信頼できるプロと相談しながら進めることで、後悔のない外壁リフォームを行いましょう。
レンガの外壁には外壁カバー工法もおすすめ

レンガ調の外壁にしたいけれど、「うちの壁でも施工できるかな?」「費用をもっと抑えられないかな?」とお悩みの方も多いでしょう。そんな方にご紹介したいのが、「外壁カバー工法」です。
外壁カバー工法(重ね張り工法)とは、既存の外壁を撤去せず、その上に新しい外壁材を重ねて張るリフォーム工法です。古い外壁を下地材ごと取り壊さないため解体撤去費用が不要となり、工期短縮やコスト削減につながります。住まいながらの工事も可能で、古い外壁材の処分による騒音・粉塵トラブルも軽減できるメリットがあります。
外壁カバー工法では、軽量で高耐久なレンガ調サイディングボードや金属サイディングを使用し、既存壁の上からしっかりと固定していきます。目地部には高品質なシーリング材を用い、防水性能を万全に確保します。窓枠や出隅部の取り合いも、専用の役物材や板金加工によって美しく納めますので、仕上がりの見栄えも安心です。重ね張りによって外壁が二重になることで断熱性・遮音性が向上する効果も期待できます。まさにレンガ調外壁のデザイン性と、カバー工法の手軽さ・機能性を両立したリフォームと言えるでしょう。
外壁カバー工法について、以下の記事でもより詳しく解説していますので、是非合わせてご覧ください!
外壁カバー工法の種類と特徴を解説!費用相場やメリット・デメリットもわかりやすく紹介
レンガ外壁リフォームなら実績豊富なジーワンテックへ
株式会社ジーワンテックは、外壁塗装からレンガ外壁へのリフォームまで幅広い施工方法に対応可能な外装リフォーム専門会社です。お客様のニーズに合わせて最適なプランをご提案し、施工からアフターフォローまで自社スタッフが一貫対応いたします。また、施工後にはメーカー保証と施工店保証が付くだけでなく、定期点検などアフターフォロー体制も充実しています。
「レンガの外壁にしたいけれど費用はどのくらい?」「うちの家でも施工できるか心配…」など、レンガ外壁リフォームについて気になる点がございましたら、ぜひ株式会社ジーワンテックのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。経験豊富な専門スタッフが丁寧に対応し、お客様の不安や疑問にお答えします。相談だけでも大歓迎です。
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